2006年 05月 26日
恵まれているということ
ある雑誌(限られた人しか読まないと思いますが)に、著名な弁護士の先生の寄稿がありました。さっと見てみると、去年の春、私も直接先生のご講演でお聞きした内容のようでしたが、今一度読んでみました。

題名は
「恵まれた者の責務」
です。

第二次世界大戦で散っていった若者達、戦争が終わっても飢えに苦しみ、実際餓死して大学に戻ることのできなかった学生達、仕事をするにも弁護士が国から様々な制約を受けた時代、また経済的に弱い国の弁護士として海外でまともにとりあってもらえなかった時代

そして今
いかに私達は恵まれているのかと。
戦中・戦後の先輩達の苦しみのかけらも味わう必要のない私達の世代。

そこで先生はこう言われます。

「皆さんがいかに恵まれているかを縷々と述べましたが、どうか、そんなことは当たり前だと思わないで下さい。自分が恵まれていることに気付かなかったり、況や気付いても当たり前のことと考えるのは、人間としての品格に缺けることと思います。どうか皆さんは、恵まれていることに感謝し、恵まれた者の当然の責務として、日本の司法を少しでも良くして行くために、そして、日本という国を少しでも良くするために、これからの長い年月、精進して行って欲しいと切に希います。」

続いて、戦後日本の司法制度の確立に貢献されたある裁判官のお話をされています。この裁判官のお話しも興味深いのですが・・・

『恵まれていることに気付かなかったり、当たり前のことと考えるのは、人間としての品格に缺ける』

なぜか心に重く残りました。
恵まれている者には責任がある・・・
自分は、この時代に生かされ、境遇も恵まれているのは感謝だなあと思っていても、それだけではいけない。責任がある。
初めて気付いたことではないのですが、はっとさせられました。

そういえば
聖書の中に、こんなたとえ話があります。

ある身分の高い人が、自分の家臣を呼んで、それぞれの能力に応じてお金を預け、旅にでかけました。
ある家臣は、預かったお金を元手に商売をし、倍の利益を上げました。
彼は帰ってきて、そんな家臣たちに
「よくやってくれてとても嬉しい。おまえは忠実な家臣だ。わずかな物にも忠実だったから、今度はもっとたくさんの物を任せよう。」
と言います。ところが、ある家臣は、
「あなた様は計算が厳しいし、せっかく儲けても取り上げられて恐ろしいので、預かったお金は土の中に隠しておきました。どうぞ、これがあなた様のお金です。」
と言いました。それを聞いて彼は
「おまえは怠け者だ!」
と怒り、この家臣を追い出してしまいました。**


・・・私はどうだろう?責任を果たしているのだろうか?・・・
と、考えさせられました。





*出典 長島安治(法学教室306-31)

**マタイの福音書25:14〜30、ルカの福音書19:12〜26
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by myrex | 2006-05-26 23:53 | Daily Thoughts
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